注意:2020/07/25時点のバージョンでの感想です
(スキルシステムや調整後の難易度については本稿では触れていません!)
7月初頭にswitch向けに突如として現れたRPGこと「ファイナルソード」
2020年とは思えないグラフィックのチープさや細かな挙動の作りこみの甘さで瞬く間にTwitter上で人気となり、筆者もその勢いで本作を購入するに至った。
といっても、「switch版・・・でも2000円近いんじゃ手が出にくいな~」と思ってた所に「モバイル版あるやん!800円!買お!」という流れで購入を決意したのであった。
(直後にswitch版発売停止となり、今にして思えばそっち買っておけばよかったなと思わなくはない・・・)
この度無事シナリオを全クリしたので、一通り遊んでみて感じた事について書いてみようと思う。
※極力ネタバレはしないように配慮しています
モバイル版とswitch版の違いについて
基本的には「switch版=完全版」という位置付けで、モバイル版は以下部分が異なる。
・スキルシステムが存在しない(一部ボスの攻略難易度が跳ね上がる)
2020/8/24追記:アップデートによりモバイル版もスキルが使用可能になりました
・モンスター図鑑などやり込みコンテンツが存在しない
・一部BGMが異なる(ゲームオーバーや重要アイテム獲得時)
・グラフィック画質が悪い ※iPhone6s/Snapdragon821向けにも動作させるため
とはいっても、基本的な操作/ストーリー進行については両者で大差ないため、RPGとしてシナリオを楽しめればいいという人はモバイル版でも問題ないであろう。
より安定した挙動で楽しみたい人や、RTA走者を目指す方はswitch版の販売再開を待つのが良いと思われる。
ストーリー
最初は母の病気を治す所からスタートし、その後は諸悪の根源であるラスボスを討伐するという所は差し障りのない物語構成となっている。
しかし、Twitter上でも散々言われているが、日本語訳がとてもチープである。
そして、しょっちゅう会話が噛み合わないのである。
中盤辺りに差し掛かるとそんな日本語も多少読解し易くなり、「実はちゃんと作ってるのかな・・・?」と思わせておいて、最後の最後に畳みかけてくる。
良くも悪くも斜めからの攻めが強いので、現在プレーされている方は、ぜひラスボス討伐まで進めて頂きたい。
操作性
まずハッキリ申し上げると、「スマホのタッチ操作では無理がある」という事だ。
代表的な所で、以下の3点が特にストレス感じた。
・人物との会話/宝箱解錠(正面に立って、且つ吹き出し/虫眼鏡マークをタップしないとダメ)
・主人公の視点変化(パッド出すようにすればちょっとだけマシになる)
・アイテム画面の操作(純粋に細かくて操作し辛い)
なお、本作はUSB/Bluetoothによる外付けコントローラーにも対応しているので、お持ちの方はそちらでプレーされる事を強く強く強く強く強くお勧めする。
BGM
フィールド移動中は特に鳴らず、淡白なゲームだという印象を受けざるを得ない。
しかし各々の街のBGMは中々印象的な物が多く、アンダス村や物語後半のローレル村のBGMは一聴の価値アリ。
また、ボス戦のBGMが臨場感溢れており、つい聞き入って熱中してしまう程である。
なお、重要アイテムを手に入れた時のBGMは静か目で、筆者的にはswitch版よりもゲームに合っていて良いと感じた。
モンスターとの戦闘
上記の操作性の悪さに慣れる所からスタートするが、まず物語の序盤はとにかく主人公が弱く、最初のザコ敵を倒すのにも苦労する。
更にこのゲーム、テンポ良くモンスターを倒さないとどんどん湧いてきて、気付けば集中リンチされてしまう事がしょっちゅうあり、Lvが低いうちはそれで即死する事も多い。
オオカミとゴブリンが苦無く倒せるようになるまではレベリング/装備品の購入はした方が無難である。
また、終盤に差し掛かる頃には凍結攻撃を仕掛けてくるモンスターも増えてくる上、一瞬で囲まれてしまう。こうなると半分詰みである。
とにかく、「3匹以上に囲まれそうになったら逃げる」を徹底しないといけない。この世界のモンスター達には慈悲という概念は存在しない。
装備品
基本的には各地の街で購入する。
最初のローレル村で購入出来る装備はやや単価が高めに感じるが、順調にレベリングを続けていれば後続の街では比較的苦無く購入出来る設定となっている。
なお、最初の剣以外は購入自体は必須ではないが、ステータスの増加幅が大きいため、こだわりが無い限りは新しい街で装備を新調する事をお勧めする。
アイテム
各地の店で購入 or モンスターによるドロップ(ランダム)である。
ただし1アイテムにつき、お店で購入出来るのは10個まで、合計で所持出来るのは20個まで、という制約がある。
序盤で薬草99個・・・という技が出来ないのは、ゲームバランスを保つための良い仕様であるともいえる。
ボス戦
ボスによって戦術が大幅に異なり、単一の戦い方が通用しない仕組みとなっている。
「あのボスは背後にまわらなきゃいけない」「あのボスは遠距離で攻撃しないといけない」といった事をとても考えさせてくれる。
逆に言えばパターンが掴めない内は理不尽なハメ技コンボ喰らって即死するゲーム・・・ともいえる。
ただ、攻略のコツを掴めた時の快感は素晴らしく、難易度設定が意外と絶妙なバランスとなっている。
ヘルウォームとワイバーンにはめっちゃ泣かされそうになった・・・。
その他
主人公はカナヅチであり、高所恐怖症である。それゆえに
・水に沈むと溺死する(砂漠のオアシスに飛び込んだら最後)
・高い所から落ちると死ぬ(仮に落下先に床があっても)
のである。さながら令和版スペ○ンカーと言っても差し支え無い。
総評
プレー前は「とんでもなくヤバいクソゲーが出たてたんだな・・・」と思っていたのだが、シナリオを最後まで完走すると「自力でコツを掴む楽しさが感じられる良ゲー」という風に感じた。
ただ、上述した操作性の悪さは(ゲームパッドである程度カバーできるとはいえ)中々厳しいものがあり、そこが改善されればモバイル版はもう少し楽しみやすくなるかもしれない。
また、本稿執筆時点で攻略サイト等も特にまとまっておらず、情報を頼りに進めるプレイヤーにはちょっと敷居が高いかもしれない。
そして、Twitter上で話題になった動画やRTAでは多数のバグ技が目立つが、普通に遊ぶ分にはゲームの進行に致命的な影響を与えるバグも無く、意外と真っ当に作りこまれているという印象を受けた。
そのため、KOTYの覇権を取る・・・のは正直難しいと思われるが、それでも「いや普通こうだろ!」って思わずツッコミを入れたくなるような所も多く、クソゲー要素も十分に強いと感じられる。
まさに紙一重のバランスで構成された名(迷)作といえる。
そんな本作は笑いあり緊張あり涙あり・・・?な本格派RPGなので、興味ある方は是非購入して遊んでみると良いだろう。
なお筆者は2週目は遊ぶつもりはない(断言)